まず手を入れていくのが、背景をつくっているアラカシやシイです。高さは今のままでよいのですが、枝張りが横に広がり、近景のアカマツの姿と見え方が競り合っています。ここは奥行きを取り戻すために、輪郭をシャープに整えていきます。
ただし、背景の木は刈り込んで形を揃える剪定はいたしません。外側を揃えると自然な景が壊れてしまうため、内側の枝を一本ずつ選んで抜き、木自身の枝ぶりで形が決まるのを待ちます。そのぶん、時間がかかります。
モミジやサルスベリは、過去に強い切り戻しを受けた箇所があり、枝の太さが不揃いになっています。これは管理の行き届いた庭でも起こりうることで、切った先から出た枝を育て直しながら、自然な太さの流れへ戻していきます。
樹勢の回復を待ちながらの作業になりますので、狙った姿に近づくまでには、早くても5年ほど。焦らず、木の力に合わせて進めてまいります。
先人の仕事を受け継ぎ、次の世代へ渡していく——そうした庭に関わらせていただけることに感謝しつつ、一年一年、丁寧に手を入れてまいります。
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